老犬虚に吠えず

社会問題について考える場として

2020-01-01から1年間の記事一覧

落ちぶれた僕らにとって『おぼっちゃまくん』はなぜ笑えない漫画になったか

景気の悪い話は年内で終わらせて、来年は少しでも希望が持てると良いなと思ったのでこんな「書いてる自分ですら読みたくない様な記事」を書いているんですが、その中で「小林よしのり氏は『コロナ論』を描くくらいなら『おぼっちゃまくん』の続きでも描いて…

コロナ対策『経済優先か感染対策か』という二択に対する違和感

『コロナなんて大した事はない』という戯言を聞く度に思いますが、自分達の様な福祉・介護職員は訴えられる事まで覚悟して仕事・生活をしています。精神的にも日々消耗しながら。寝言も大概にして下さい。三次の介護業者を提訴 「ヘルパーから感染」、82歳…

cakesのホームレス記事は何が間違っているのか②

kuroinu2501.hatenablog.com 前回の記事で、『なぜ自分達の人権意識は低いままなのか』という問題についての回答を宿題にしていました。今回はそれについて書きます。 前回自分はその理由を『日本の教育の失敗』だと書きました。そして『失敗というよりも、…

cakesのホームレス記事は何が間違っているのか①

元記事を拡散したくないのでリンクは貼りません。 最初に注意点を書きます。 自分は普段、誰かの意見を『間違っている』とはっきり言い切るのはなるべく避ける様にしています。相手の意見にも正しい側面はあるし、自分の意見が間違っている事もあるからです…

40代のおっさんが創作BL小説を書いたら人生観が変わった話をする

10月は1回もブログを更新しなかったんですが、ここを放置して何をやってたかというと、小説書いてました。まあアマチュアなので長編でもないし「これから公募新人賞に出すぞ」とか「自分もいつかプロ作家になってやるんだ」みたいな夢を抱いている訳ではない…

人の罪の島で生きるという事・根本聡一郎『人財島』

自分が『人材』ではなく『人財』という言葉を初めて聴いたのは、確か7、8年前だったと思う。 当時は運送会社で事務をしていた。その時の上司であり経営者一族でもある専務は、どこかで聞きかじって来たらしい『人財』という言葉を、さも自分が思い付いたかの…

今、自分達の過ちに気付く為に・森下直貴 佐野誠 編著『新版「生きるに値しない命」とは誰のことか ナチス安楽死思想の原典からの考察』

近年、『生きるに値しない命』という趣旨の言葉を聞く事が増えた気がしています。例えばそれは相模原障害者施設殺傷事件の植松聖死刑囚が言う『心失者』という造語が指し示す人々の事でもあるし、自民党衆議院議員の杉田水脈氏が言う『生産性がない』人々の…

現実を模刻する物語・柴田勝家『アメリカン・ブッダ』

自分はいつも下記の別サイトで本の感想を書いているのですが、この柴田勝家氏の短編集『アメリカン・ブッダ』については、特に表題作が仏教をテーマにした作品という事もあるので、出張版でこちらに感想を載せたいと思います。本当は感想書きがメインで、こ…

開き直りと、捨て鉢で生きて行く人の辛さ

最近、身の回りで色々な事があって物を書いたり読んだりしている心のゆとりが無く、正直「生きてる感」があまりしないんですが、それでも書いておいた方がいいかなと思ったので書きます。 これから書く上で、自分の個人情報をあまり明かしたくないので個人名…

嘱託殺人・尊厳死・安楽死・優生思想が雑に語られる事について

www.yomiuri.co.jp この問題について書くつもりはありませんでした。 自分が語るべきなのかどうか悩む問題というのは常にあって、その中でも特に『自分が結論に至っていない問題に口を挟む事』にはためらいがあります。ただ、先日の嘱託殺人の件からこれらの…

『人種的に正しい表現』だけでは受け止めきれない『祈り』のために

作家の浅井ラボ氏がこんな事を呟いていらっしゃいました。 記事にあるように「アラブ系のキリストの姿もあって、それは最も本物に近い」だけど、歴史的正確さに従うことが広がっていった結果、自分と違う人種の宗教的シンボルへ向けられる信仰はどうなるのだ…

『本当だったら~出来ていたかもしれない』という呪い

いつもの記事と違って、とりとめがない事をそのまま出力したくなったので適当に書いて行く。ひとりごとに近いかな。 同級生の友人が車を買った。正確には昨年の1月に契約して、何と1年待ってようやく今年の1月中旬に納車されたらしい。スズキのジムニー(JB6…

原始仏教から『心理的ソーシャルディスタンス』を考える

ここ最近、カルト関係、仏教関係の記事が続いているのですが、今回もその流れで書きます。予想以上に反響があり、今はこういった信教の問題や、また宗教以外にもカルト的な抑圧にさらされる環境(ブラック企業とか)に悩んでいる方が多いのかなと思います。…

瓜生崇『なぜ人はカルトに惹かれるのか』を読む

この本、待っていました。 先日、こんな記事を書いたのですが、なぜ書いたのかというと、「本著を読む前に一度自分の中のカルト観を整理しておいて、読後にもう一度考えてみよう」と思ったからでもあります。 kuroinu2501.hatenablog.com 著者の瓜生崇氏は、…

なぜ自分達はカルトを信じてしまうのかという話

何だか『安倍昭恵氏がカルト的な思想に傾倒しているらしい』という内容の記事を見掛けてしまい、暗澹たる気持ちになりました。マジかーっていう。そして「これ本当かな?」と疑う一方で「まあ、可能性はあるな」と思う自分もいます。詳しくは以下の記事を参…

コロナ対策の給付金10万円を辞退せよ、寄付せよという主張の気持ち悪さ

はい、今週の激怒案件です。昼間、こんな事を呟きました。 コロナ関連で、国からの一律10万円の給付金について「公務員や議員等、所得減が無い人が受け取るのはおかしい」という話になっている様ですが、下記総務省HPを参照して下さい。目的は『家計への支援…

新型コロナウイルスの感染速度に関する記録・福島県 須賀川市の場合

先日こんな記事を書きました。 kuroinu2501.hatenablog.com 結論から先に書きます。 これを読んでいる方の住む市区町村で新型コロナウイルス感染者が出た場合、自分自身がウイルス感染の危険に晒されるまでの感染経路には、4人も濃厚接触者がいれば十分だと…

新型コロナウイルス感染者へのバッシングがなぜ悪いのか・福島県の場合

先日Twitterでこんな事を呟きました。 福島県から。4/2に発表された県内8例目のコロナウイルス感染について、感染者の10代女性へのバッシングが酷いので書きます。女性は3月末に2泊3日で東京に滞在しており、この時に感染したものと思われています。その行動…

れいわ新選組参議院議員・舩後靖彦様、木村英子様へ 障がい者支援施設職員からの手紙

最初は意見書の様な形で凄く硬い文章を書いたんですが、やはり直接両議員の事務所や党本部に文章を送る事はためらわれたので、手紙の様な文章に書き直してここに上げる事にしました。公式な申し入れの様な形にしてしまうと、自分の所属が特定されてしまった…

『神仏分離を問い直す』を読んで自分を問い直す

ちょっと前にTwitterで呟きましたが、法藏館の『神仏分離を問い直す』を読んでいます。 自分は大学で仏教を学んでいたので、Twitter経由でこの本を知った時には「これだ!」と思って小躍りしたのですが、そもそも大多数の人にとっては『神仏分離って何よ』と…

漫画版『戦争は女の顔をしていない』だからこそ届く読者がいることを思う

小梅けいと氏の漫画版が話題になった事で、原作であり、取材に基づく実話であるスヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ氏の『戦争は女の顔をしていない』の事を知りました。それだけでもこの漫画版について自分は感謝したいのですが、こうした『戦争』を描く作…

『美空ひばりさんのAI』が歌い続ける未来像は、宗教の本質である

何か『美空ひばりさんのAI』の話題が流れてくるのを見てて思ったんですが、大学で仏教を学んだ人間からすると、これって宗教の一側面の様な気もして考えさせられるんですよね。自分の誤読かもしれないけれど。— 黒犬 (@kuroinu_2501) 2020年1月2日 昼間にこ…